新聞や週刊誌よりすごいかも!? 書店員イチオシの“スクープ新書”
書店員がすすめる、思わず感動する新書!⑥
◆圧巻エピソードで知る、近代日本の偉人たちの驚きの英語力
『英語達人列伝』斎藤兆史・著(中公新書)
日本人は英語が苦手というのは俗説にすぎない。かつて日本には驚嘆すべき英語の使い手がいた。岡倉天心、斎藤秀三郎、野口英世、岩崎民平、白洲次郎ら、十人の偉人たちが実践した「英語マスター法」を、ヴィヴィッドに紹介する。
☆推薦人:紀伊國屋書店梅田本店 此川さん
「英語教育の早期化がどんどん進んでいますが、義務教育で英語をしっかり勉強したつもりでも、なかなか英語を話せるようにはなれません。私も海外のお客様からのお問い合わせにはきちんとお応えすることができず、せめて接客用の英語くらいは身に付けねば……と思いつつも、いざ本番ではしどろもどろ状態。そんな自分に喝を入れる意味で手にしたのが、本書でした。英語を勉強するための環境が、現在とくらべ圧倒的に悪かった時代に、ここまでの英語の達人がいたのかという驚きと、達人たちの豪快なエピソードが面白く紹介されていて、読後には自分も英語を勉強しなおそうと思えます。特に、自らは日本から一度も出たことがないのに、ネイティブスピーカーに対してさえ、文法や語法の間違いを指摘したと言われる斎藤秀三郎氏のエピソードは圧巻です」
◆あの歴史的人物も? 最新脳科学で“サイコパス”を見抜く!
『サイコパス』中野信子・著(文春新書)
とんでもない犯罪を冷静沈着に遂行し、たとえウソがバレても、むしろ自分の方が被害者であるかのように振る舞う……。こうした“サイコパス”の存在が度々世間を騒がせてきたが、最新の脳科学によって、サイコパスの正体が徐々に明らかになりつつあるという。脳に隠されたミステリーを解き明かす!
☆推薦人:ジュンク堂書店池袋本店 福岡さん
「脳科学の最先端を書いている本ですが、難しいと思って敬遠するのは、すごくもったいない。笑いながら読めます。特に、サイコパスをいかに見抜くかというくだりが面白いです。『外見や見た目が過剰に魅力的でナルシスティック』とか、『人ころがしで、有力者を味方につけていたり、崇拝者のような取り巻きがいる』とか、それがサイコパスの特徴なの!? と思わずツッコみたくなります。でも、それを最新脳科学に基づいた根拠で示しているから、ちょっと怖くもある。ほかにも、歴史上のあの英雄はサイコパスだったのでは、などの考察もあり、興味深く読むことができます。読後は、隣にいる人がサイコパスに見えてくるはずです」